どのような業界でも新人は、新しい職場に馴染むために苦労をするが、介護業界の場合、新人いじめのようなことが起こることもあります。具体的には、業務上必要な伝達事項を新人介護士に伝えずに、それが原因でその介護士が失敗をした時にきつく責めたり叱責したりするような例があります。介護の現場は、日々利用者の様々な情報が飛び交っています。それらの情報を各介護士が共有することでより良い介護を可能にしています。例えば、ある利用者に対しては、家族の話はタブーであるという場合があります。その情報を介護士が共有していれば大きなトラブルは起こりません。しかし、あえて新人にそのことを伝えずに新人が家族の話をしてしまい利用者がパニックをおこしてしまったという例もあります。
新人介護士からすると、みんなが知っていた情報を自分だけ知らされていないことを気にせずにはいられないでしょう。いじめのようなこの行為が、新人介護士の人間関係に関する悩みを増長させる原因となります。嫌われているのではないかと疑心暗鬼に陥ると、自分から積極的に情報収集することもできなくなる可能性があります。そうすると、ますます情報共有がうまくいかず、現場で浮いてしまうことになりかねません。このような行為は、働いている人たちの人間関係を悪化させるだけでなく、介護の質自体を低下させることになります。気に入らない新人だからといって、必要な情報を提供しないというような行為は、絶対にしてはいけないことです。